Visual3D 一般的なプロセス
一般的なプロセスのチュートリアル
このチュートリアルは、C3Dファイル形式からレポート化までの一般的なワークフローを学びます。
まず最初のポイントとして、ファイル形式を確認下さい:
■ モデルテンプレート(MDH)
■ シグナル処理パイプライン(V3S)
■ レポートテンプレート(RGT)
■ 静止立位トライアル(C3D)
■ 実測トライアル(C3D)
ファイルはこちらよりダウンロード頂けます。
モデルの作成
1. 骨格モデル形成のための静止立位C3Dファイルを読み込みます。
→ Modelメニュー → Create (Add Static Calibration File) → Hybrid Model from C3D file
2. “LowerBodyStaticTrial01.c3d”を選択し、 [Open]をクリックします。
Visual3Dは自動的にモデル作成モードに切り替わります。3Dビューアは、静止立位ファイルから各マーカー位置 座標の平均値を表示します。デフォルトでは、画面の左側にあるダイアログバーに実験室を示すセグメント[LAB] のみが表示されます。
- モデルテンプレートの適用 -
このセクションでは、予め用意された骨格モデルのテンプレートを利用します。モデルテンプレート(.mdh)を持って いない場合、また最初から構築したい場合は、モデル構築チュートリアルに習いモデルを構築してください。
1. モデルテンプレートの適用方法:
a. Modelメニュー → “Apply Model Template”をクリック
b. モデルテンプレートを選択する
2. 被験者の体重と身長を入力:
a. モデルタブ内“Subject Data/Metrics”を開く
b. “Mass”欄でWクリックし体重を入力する
c. “Mass”欄でWクリックし身長を入力する
- Pipelineコマンドの利用 - ※この工程を経由しなくとも、被験者情報の入力は行えます。
Pipeline(パイプライン)コマンドを使う事により、被験者の体重/身長設定と骨格モデルテンプレートの適用を迅速 に処理する事ができます。これらコマンドは、特定のファイルを検索/編集する事が可能です。パラメータが空白の場 合には、関連する情報や命令をユーザーに要求します。
1. モデルテンプレートコマンドの適用
2. 被験者身長設定コマンド
3. 被験者体重設定コマンド



ダイナミック運動データを開く
作成された骨格モデルへダイナミック運動データを適用させるます。
※ダイナミック運動データを骨格モデルに適用させるには、 静止立位スタティックの読み込みと、骨格モデルテンプレー ト適用が必要です。
”Workspace”タブ内に静止立位データ名がリスト表示 された状態が成功例です。
右図のように表示されたら次のステップへ進みます。
1. Fileメニュー → Open/Addを選択
2. ラジオボタンの“Insert new files into your currently open workspace”を選択
3. サンプルファイル"WalkingTrial_01.c3d"を選択
確認事項:“WalkingTrial_01.c3d”という名称のファイルは、Visual3Dの Workspaceタブ内のモーションデータリスト列内(静止立位[Static]の横)に表示されます。
確認事項:“Signal and Event Processing[波形およびイベント処理]タブをクリッ クします。この時点ではダイナミックモーションファイルが表示されます。
画面下部にある再生ボタンをクリックする事により、マーカー情報がアニメーショ ン表示されます。
★TIPS★ - Pipelineコマンドの利用 - ダイナミック計測データを開く場合は、”File_Open”のPipelineコマンドを利用する事で効率が良くなります。
※この工程を経由しなくとも、ダイナミックデータの読み込みは行えます。




– ダイナミック運動データを骨格モデルに適用させる –
前セクションにて、静止立位トライアルを使って構成された骨格モデルに ダイナミック運動データが追加されました。ダイナミック運動データが骨 格モデルに割り当てられると、モデルの各セグメントとランドマークター ゲットが計算されます。
ダイナミック運動データの適用は、次のステップを参照して下さい:
1. Modelメニュー → “Assign Model to Motion Files”を選択 2. “WalkingTrial_01.c3d”ボックスをチェック
3. OKをクリック
確認事項:3Dアニメーションビューアには、ダイナミック運動データが関連付けられた下半身の骨格モデルが表示され ている必要があります。画面の下部にあるVCRコントローラの再生ボタンをクリックすることで、スケルトンをアニメー ション再生表示させることができます。
★TIPS★ - Pipelineコマンドの利用 - ”Assign_Model_File”コマンドを使用すると、簡単にダイナミック運動データを骨格モデルに割り当てること
ができます。※この工程を経由しなくとも、骨格モデルへの適用は行えます。

– 基本的な信号処理 –
このセクションでは、パイプラインコマンドを使用して信号処理を実行します。最初にターゲット(マーカー情報)の 補間を行うため、フィルタリング処理をします。
※ データツリーに“PROCESSED”(処理済み)フォルダが追加されている事を確認してください。
1. TARGET(ターゲット)信号の補間:
a. “Signals and Events”タブをクリック
b. “TARGET”フォルダを展開
c. “ORIGINAL”フォルダを右クリック
d. “Processing”(処理)をクリック
e. “Interpolate”(補間)をクリック
f. “Done”(完了)をクリック
確認事項:データツリーに“PROCESSED”(処理済) フォルダが追加されている事を確認してください。
2. TARGET(ターゲット)信号のフィルタリング:
a. “TARGET”フォルダを展開
b. “PROCESSED”フォルダを右クリック
c. “Processing”(処理)をクリック
d. “Filter”(フィルタ)をクリック
e. “Done”(完了)をクリック
確認事項:新たにフォルダが作成されない場合は、既に“TARGET”フォルダ内に“PROCESSED”フォルダ が存在しています。Visual3Dのデフォルト設定では、常に最新の処理済みファイルが明確になるよう、 “PROCESSED”フォルダは1つしか生成されません。
3. TARGET(ターゲット)信号のフィルタリング:
a. “TARGET”フォルダを展開
d. “PROCESSED”フォルダを展開
c. “CTRHID”信号を左クリック
d. データ表示ダイアログ内で“Signal
Processing History”タブを選択
★TIPS★ - Pipelineコマンドの利用 -
各ターゲットは、“Interpolate”コマンドによって補間さ れ、“Lowpass_Filter”コマンドによってフィルタリング されます。
※この工程を経由しなくとも、データの補間やフィルタリ ングは行えます。




– イベントラベルの作成 –
“Event”(イベント)は、モーションキャプチャーの時間フレームに対しシンプルにマーキングできます。
Visual3Dでは、歩行分析のための特定イベント(例:踵接地や足 趾離地、遊脚相など)を自動的に検出する事ができます。
- マニュアルによるイベントの登録 -
歩行分析以外のアプリケーションのために、任意指定した計算式 やWクリックによってマニュアルイベント定義が可能です。
イベントは“SIGNAL AND EVENT PROCESSING”モードのグ ラフ内にある時間フレームをマニュアル選択する事により、デー タファイルに追加することができます。次の手順を実行します。
1. 対話型グラフの波形プロット表示
a. “Signal and Events”タブを開く
b. “TARGET”フォルダを展開
c. “PROCESSED”フォルダを展開
d. “LFCC”ターゲットを右クリック
e. “Graph X, Y and Z”を選択
f. “New Graph”を選択
左クリックでグラフを選択します。自動的に時間軸フレームにタイムラインを示す垂直線が表示されます。
グラフ上にはハンドル(小さな四角形)が表示されます。このハンドルを利用し、XY軸のスケールを変更す ることができます。
2. マニュアルで新しい“Event Lable”を作成する
a. 任意の時間フレームでWクリック
b. イベントラベル名を入力
c. “<<”や“>>”ボタンでベント間の移動が可能
確認事項:複数のイベントを扱う場合には、ラベル名がデータツリー内にある既存のラベルと同じにならな いように注意してください。
イベント作成後は、“Edit Events Dialog”を使用して編集することができます。
★TIPS★ - Pipelineコマンドの利用 - “Event_Explicit”コマンドを使用すると、簡単にイベントを作成・追加することができます。
※この工程を経由しなくとも、骨格モデルへの適用は行えます。
歩行分析を処理する場合には、“Automatic_Gait_Events”コマンドを使用して下さい。
ユーザは任意指定した信号処理タスクコマンド(運動解析や筋電図解析などを含む)の組み合わせで、特定のイ ベントを作成することができます。



– 骨格モデルベースの演算を構成する –
モデルベースの演算は、剛体モデルに基づいてキネマティックとキネティック計算を実現します。
このセクションでは、膝関節角度を演算します。当セクションを通じ、さらにモデルベース演算を理解するためには、 モデルベースの基本についてを説明したチュートリアルを参照してください。
- 右左膝関節角度を解析 -
右膝関節角度を解析するには、次の手順を実行します。
1. メインバーにある“MODEL”メニューより“Compute
Model Based Data”を選択
2. “Right Knee Angle(右膝関節)”を定義する
3. 解析項目名:“RKneeAngle”を指定
4. 骨格モデル設定(Properties):“JOINT_ANGLE”
5. 対象セグメント名:“RSK [Right Shank:右脛骨]”
6. 座標セグメント名:“RTH [Right Thigh:右大腿骨]”
7. カルダン角度(オイラー角)連動:“XYZ”
8. “Create”をクリック
9. 左膝関節角度も同様に実行します。
- 処理結果 -
関節角度が解析された際にエラーが発生した場合、ダイアログが表示 されます。
ファイルがどのように処理されのかを確認してください。
計算結果を格納する“LINK_MODEL_BASED”フォルダが データツリーに作成されていることに注意してください。 このフォルダには、現在左膝角度と右膝角度解析波形が含 まれています。





– レポートの作成 –
解析波形を生成すると、レポートに追加できるようになります。
レポートは、データをプレビューおよび共有可能です。
レポート例は右図に見ることができます。レポート構築チュートリア ルは、このレポートを作成するためのプロセスについて説明します。
確認事項:異なる変数間の比較ができるように、グラフ毎に複数の項 目をオーバーレイすることが可能です。
レポートは、“.rgt”ファイルとしてテンプレート保存することもできます。レポートテンプレートは、Visual3Dで開く ことができ、他のプロジェクトに適用させることができます。
“.rgt”ファイルには、信号処理の定義(モデルベース計算のダイアログ/パイプラインコマンドを使用して作成された解 析)が含まれています。このモデル作成のチュートリアルでは、レポートを作成し、”.rgt”ファイルとして保存するまで の方法について説明します。
★TIPS★ - Pipelineコマンドの利用 -
解析グラフは“Make_Line_Graph”コマンドを使用して簡単に作成することができます。Pipelineコマンドを利 用しなくても、解析グラフを作成することは可能です。
このコマンドは、コマンドリストに表示されないので、オプションコマンドを理解することをお勧めします。
